ブラック社長の衝撃発言

【実録】ブラック社長のヤバい衝撃発言 残業時間は休憩で吸収編

残業は休憩で吸収編 アイキャッチ画像

「休憩時間なんてない」

「休憩中も仕事をさせられる」

――そんな経験はありませんか?

ブラック企業の常套手段として、休憩時間の不当な扱いがあります。

この記事では、労働基準法に基づく休憩時間の正しいルールと、ブラック企業の典型的な手口を解説します。

私は労務管理に15年携わってますが、今までの経験を活かし、より具体的に分かりやすく休憩の基本ルールをお伝えします。

この記事を読むことで、あなたは休憩をしっかり活用できるようになり、仕事とプライベートのバランスを改善できるでしょう。

さあ、今こそ休憩の本当の価値を知り、あなたの働き方を変える第一歩を踏み出しましょう。

衝撃ブラック発言 残業時間は休憩で吸収できないかな?

休憩と残業 アイキャッチ画像

顧問先になった会社から、給与計算の依頼がありました。

現状の働き方を確認し、今後行う計算方法をつめていきました。

社長

というわけで、弊社の業務は不規則な勤務なんですよ。

なるほどですね。

御社の場合だと顧客に合わせて対応する事業なので、休憩時間も不規則になりそうですね。

シャロうしエマ
社長

そうなんですよ。

まあ、休憩時間は自由にしてもらっているので、労働時間には入れていないんですよね。

そうでしたか、そうすると残業時間はだいたい〇〇時間は追加で支払う見込みとなりますね。

事務所に帰って正確な計算をしようと思うのですが、スタッフの皆さんはざっくり〇〇時間は追加支払いの必要がありそうです。

シャロうしエマ
社長

え?そうなの?

おかしいな~。

そんなに残業時間はないと思うんだよね。

う~ん、1日8時間、1週間40時間を結構超過しているので、残業時間はそこそこありそうですね。

なにか、気になることがありますか?

シャロうしエマ
社長

いや、そういう訳ではないんだけど、そんなに追加支払いが必要なの?

休憩時間増やしてもだめ?

え?

といいますと?

シャロうしエマ
社長

残業時間は休憩で吸収できないかな?

・・・休憩で吸収ですか?

済みません、具体的なイメージでいうと、どういう感じですかね?

シャロうしエマ
社長

ウチの場合は休憩時間に何してもいいから、残業時間になる分を休憩時間にしてほしいんだよね。

残業時間が3時間あるなら、休憩時間を3時間増やすみたいな。

そうすれば8時間に収まるんじゃない?

いや、それはちょっと出来ないですね。

休憩時間って言っても手待ち時間など、待機が命じられている場合は労働になるんですよね。

シャロうしエマ
社長

待機の指示は出しているけど、スタッフは事務所で仮眠とったりしてるよ?

スマホゲームしてたりとかさ。

たしかに、会社から見たら遊んでいるように見えるかもしれないですが、会社の指揮命令が出ている時間は労働になるんですよ。

しかも休憩時間で吸収って、タイムカードの書き換えにもなってしまいますね。

法的に、かなりマズいです。

シャロうしエマ
社長

そうなのか。

でも残業代は払えないんだよね。

経営会議の時に人件費が増えたなんて報告したら、大変なんだよ。

会長から何を言われるか分からないよ。

う~ん、でも法律を守らないで業績良くするってどうなんでしょうね。

それって、長続きするんですかね?

きちんと法令を守ってこその業績の安定とも言えるんじゃないでしょうか?

シャロうしエマ
社長

・・・・・・・。

なんかうまい方法ないかな?

抜け道とか。

そうですね。

人件費を増やしたくないのであれば、残業代の支払いがそもそも必要ない状況を作るのが先決だと思います。

シャロうしエマ

1日8時間、1週間40時間を超えた分が1.25倍で計算なので、出来るだけ超えないように時短、シフト組みの工夫をしたほうが良いです。

具体的には、1日の勤務時間を長すぎないようにしましょう。

シャロうしエマ
社長

それって、どうすればいいの?

はい、例えば1日8時間を超えないように業務量を見直すとかですね。

1日の労働時間が長いと、どうしても残業時間が増えてしまいます。

あとは連勤を避けるとか。

週6勤務だと残業時間はかなり増えるはずです。

シャロうしエマ
社長

なるほど。

最近だと、結構各社時短に取り組んでいます。

人材募集の時に有利ですし、定着率も上がるメリットもあります。

やっぱり長時間労働って従業員さんが辞めやすいんですよ。

シャロうしエマ
社長

そうなんですね、結局根本から改善しないとダメってことか。

まあ、やるだけやってみようかな。

そうですね、良い会社にするために、残業時間の削減を進めていきましょう。

経営的なメリットは大きいですよ!

シャロうしエマ

ブラック企業がなくならない理由 業績至上主義

この会社は毎月、会長も参加する経営会議を行っていました。

会議の時業績を発表するのですが、なにか少しでも追加の支払いがあると、会長から徹底的に追及されるとのことでした。

なので社長も人件費の追加支払いがないようにしたい、といった意向でした。

たしかに会社を運営する上で業績は重要なのですが、法令をねじ曲げて業績を上げるというのは好ましくありません。

以前は法律の抜け道の相談が多くあり、またそういう抜け道を教えてくれる社会保険労務士の人気が高かった時代がありました。

ただ、最近は従業員さんも労働法に詳しい人も多く、スマホで簡単に法律を調べられます。

また労働基準監督署も対応してくれるようになり、法令順守がトレンドになりつつあります。

法令を遵守しながらの業績向上が、今後経営に求められることは間違いないでしょう。

あなたの会社が休憩を適当に扱っていないか、自社に当てはめてみましょう。

コタロウ

エマ先生、なんかゲームと勘違いしてそうな社長でしたね。

ズルしていい?とか、会社ではありえないですよね。

たしかにね~。

会長に怒られるから、従業員さんの残業代払わないって大人のすることじゃないかも。

シャロうしエマ
コタロウ

なんか僕思うんですけど、社長さんって良くも悪くも人間って感じですね。

別に偉くもなんともない気がします。

尊敬できない社長はただの人って感じ。

まあ、社内の事情が色々あるんだろうけどね。

ただズルとか抜け道ばっかりしてると、ちゃんとやってる会社に追い抜かれちゃうんだよ。

法令順守してる会社は、生産性向上とか工夫するのが必須になってくるから。

シャロうしエマ
コタロウ

そうやって、ブラック企業は淘汰されていくんですね!

実際に公表されているブラック企業名を知りたい方は、厚労省が公表!法令違反のブラック企業リストを見てください。

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脱ブラック企業! 休憩の法的なルールは?

休憩の法律いろいろ アイキャッチ画像

労働基準法には休憩の定めがあり、また休憩に関する判例もあるので大まかな内容は押さえておきましょう。

労働基準法にはこんな通達があります。

休憩時間とは、単に作業に従事しない手待時間を含まず労働者が権利として労働から離れていることを保障されている時間の意であって、その他の拘束時間は労働時間として取り扱う。

引用元:労働基準法 昭和22.9.13 発基第17号

条文は小難しいですが、簡単にいうと手待時間であっても拘束されていれば労働時間だよ、ということです。

なので何もしていないから、あるいは仮眠しているから休憩時間とは限らないのです。

正社員、パートアルバイト休憩の取り方同じ?

原則として、休憩時間に関する法律は正社員、パート、アルバイトといった雇用形態に関わらず同じように適用されます。

労働基準法は労働者を保護することを目的とした法律であり、その適用範囲は雇用形態に関わらずすべての労働者に及びます。

つまり、パートやアルバイトだからといって、休憩時間が短縮されたり、休憩を与えなくても良いということではありません。

誤った例

  • アルバイトだからといって、7時間勤務でも休憩なしで働かせる
  • パートタイム勤務だからといって、8時間勤務でも休憩は30分で良いとする

正しい例

  • 8時間のパートタイム勤務の場合、正社員と同様に45分以上の休憩時間を設定する
  • 8時間を超える勤務となるアルバイトには、法定通り60分以上の休憩時間を与える

労働基準法はすべての労働者に適用されます。

正社員、パート、アルバイトといった雇用形態に関わらず、労働時間に応じた適切な休憩時間を付与することは会社の法的義務です。

休憩の分割付与もOK

労働基準法上、休憩時間を分割して付与することは認められており、業務の特性や従業員のニーズに応じて柔軟に運用することが可能です。

つまり、休憩時間の与え方について、一括して与えても分割して与えても差し支えないとしています。

実際の具体例を確認してみましょう。

製造業の場合

8時間勤務で、60分の休憩を以下のように分割

  • 12:00-12:45 昼休憩(45分)
  • 15:00-15:15 休憩(15分)

小売業の場合

7時間勤務で、45分の休憩を以下のように分割

  • 11:30-12:00 休憩(30分)
  • 14:30-14:45 休憩(15分)

オフィスワークの場合

8時間勤務で、60分の休憩を以下のように分割

  • 12:00-12:45 昼休憩(45分)
  • 15:00-15:15 休憩(15分)

飲食業の場合

8時間勤務で、60分の休憩を以下のように分割

  • 14:00-14:45 休憩(45分)
  • 18:00-18:15 休憩(15分)

休憩時間の分割付与は労働基準法上認められており、柔軟な運用が可能です。

業種や職種に応じて最適な休憩時間の分割方法を選択可能で、従業員の集中力維持や疲労回復が期待できます。

休憩時間における3つの大原則

労働基準法では、休憩時間に関する3つの大原則を定めています。

これらは「途中付与の原則」「一斉付与の原則」「自由利用の原則」と呼ばれ、労働者の権利を保護し、休憩の実効性を確保するために設けられています。

それぞれどのようなものなのか、確認してみましょう。

  ⇒スマホは右にスクロール出来ます

3大原則 3大原則の内容
1. 途中付与の原則 労働時間の途中に休憩を与えなければならない
2. 一斉付与の原則 休憩は原則として一斉に与えなければならない
3. 自由利用の原則 休憩時間は労働者が自由に利用できるようにしなければならない

3大原則は労働者にとって確実に休息出来るように、労働基準法に規定されています。

実際の具体例は下記となります。

1. 途中付与の原則

  • 適切な例:8時間勤務で12時から13時に1時間の休憩を設ける
  • 違反例:8時間勤務で17時の勤務終了後に1時間の休憩を設ける

2. 一斉付与の原則

  • 適切な例:全従業員が12時から13時に一斉に休憩を取る
  • 違反例:従業員を2グループに分け、交代で休憩を取らせる(ただし、例外規定あり・後述)

3. 自由利用の原則

  • 適切な例:休憩時間中は従業員が自由に外出したり休憩室で過ごしたりできる
  • 違反例:休憩時間中も電話対応や来客対応を義務付ける

労働基準法で定められた休憩時間の3つの大原則は、労働者の健康と権利を守るための重要な規定です。

会社はこれらの原則を理解し、確実に実施することが求められます。

ブラック企業は長時間労働や残業が多いため、確実な休憩の活用が望まれるでしょう。

残業の基本的なルールを知りたい方は、残業ルールのキホン 知っておくべきポイントを見てください。

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休憩の一斉付与の原則と例外

原則として、休憩時間は事業場で労働するすべての労働者に対して一斉に付与しなければなりません。

しかし、労使協定を締結することで業務の性質や労働者の希望に応じて、休憩時間を個別的に付与することが認められる場合があります。

実際の具体例を見てみましょう。

コールセンター

顧客からの電話が絶え間なくかかってくるコールセンターでは、労使協定を締結し、オペレーターが交代で休憩を取るように運用しているケースが多いです。

製造業の工場

生産ラインの稼働を止めないために、労使協定を結び、交代で休憩を取る体制を整えています。

これにより、ラインの効率を維持しつつ労働者の休息を確保しています。

また、業種によってはそもそも一斉に休憩を取るのが難しい場合があります。

下記の業種は労使協定も無しでバラバラに休憩を取ることが可能です。

労使協定無しでもOK

  • 運輸交通業
  • 商業
  • 金融広告業
  • 映画・演劇業
  • 通信業
  • 保健衛生業
  • 接客娯楽業
  • 官公署

商業はサービス業、保健衛生業は病院や診療所など、接客娯楽業は飲食店や旅館などが該当します。

休憩時間の一斉付与は、労働者の健康と労働時間の適正な管理のために重要な原則です。

労使協定を締結する場合でもその必要性や内容を慎重に検討し、労働者の不利益にならないよう適切な運用を心がける必要があります。

休憩時間の裁判例

次に休憩に関する裁判例を確認して見ましょう。

すし処「杉」事件

客の途切れた時などを見計らって適宜休憩してよいが、客が来店した際には即時に対応を要するとされている時間について、手待時間であって休憩時間ではないとし、労働時間と算定し、割増賃金の支払いを命じた。

引用元:大阪地裁 昭56.3.24判決

日本貨物鉄道事件

手待時間中は、作業はしていないのであるが、「労働契約に基づき労働者を待機させておくことによって労働力を確保しているのであるから、労務の対価である賃金を支払ってしかるべきである。」と賃金の支払いを命じた。

引用元:東京地裁 平10.6.12判決

大星ビル管理事件

仮眠時間についても、労働からの解放が保障されていない限り、休憩時間には該当しないとされる。

引用元:最高裁第1小法廷 平14.2.28判決

これらのように、休憩とは指揮命令から完全に切り離された時間ということが分かります。

シャロうしエマ

なにもしてないから休憩、とは限らないの。

ブラック企業のやり方は、あの手この手だから気を付けてね!

ブラック企業の具体的な特徴を知りたい方は、【決定版】ブラック企業の特徴8選|偏差値80~50までを見てください。

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休憩時間は労働時間ではありません

休憩時間は労働時間には含まれません。

労働基準法において、休憩時間は労働から解放されている時間と定義されており、賃金支払い義務が発生しません。

具体的に計算例を確認してみましょう。

ケース1

午前9時から午後6時まで勤務する場合(休憩1時間)

労働時間:9時間 – 1時間(休憩) = 8時間

この場合、8時間分の賃金支払い義務が発生します。

ケース2

午前9時から午後6時まで勤務する場合(休憩なし)

労働時間:9時間

この場合、9時間分の賃金支払い義務が発生します。

休憩時間を与えなかった場合、労働基準法違反となります。

休憩時間は労働時間ではなく、賃金支払い義務も発生しません。

しかし、労働者にとって心身のリフレッシュのために重要な時間です。

会社は労働者が適切に休憩を取れる環境を整え、労働基準法を遵守する必要があります。

休憩時間の長さも定めあり!

労働基準法には休憩時間の長さも決められています。

長時間労働になる場合は疲労が溜まるので、必ず休憩を取る必要があります。

使用者は、労働時間が6時間を超える場合においては少なくとも45分、8時間を超える場合においては少なくとも1時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない。

引用元:労働基準法34条

労働基準法の条文だとすこし分かりづらいのですが、1時間ごとに確認すると分かりやすくなります。

具体的には下記の通りとなります。

休憩時間の長さ

  • 労働時間6時間 → 休憩なしでOK
  • 労働時間7時間 → 休憩最低でも45分は必要
  • 労働時間8時間 → 休憩最低でも45分は必要
  • 労働時間9時間 → 休憩最低でも1時間は必要

休憩の適用除外者もいます!

労働基準法上、一部の業種や職種において、法定の休憩時間の規定が適用除外となる労働者が存在します。

ただし、これらの労働者に対しても、健康と福祉を考慮した適切な休憩の付与が求められます。

以下の労働者については、労働時間、休憩、休日に関する規定が適用除外となることが定められています。

農業、畜産、水産業

天候や季節に左右される農作業等に従事する労働者

管理監督者等

会社の経営方針の決定に参画し、労務管理上の指揮監督権を有する部長や工場長クラスの管理職

機密の事務取扱者

役員秘書など、会社の機密情報を日常的に扱う労働者

監視断続的な労働

監視が業務だが手待ち時間が多い者(守衛やマンション管理人等)

会社は休憩の適用除外者に関する正確な理解と適切な判断が求められます。

今まで見てきたように、休憩時間には様々なルールが存在します。

あなたの会社が違法な休憩の扱いをしていないか、チェックしてみましょう。

管理監督者を悪用する残業代節約方法を知りたい方は、【閲覧注意】ブラック社長ヤバい衝撃発言 全員管理職で残業代節約編を参考にしてください。

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衝撃ブラック発言 まとめ

ブラック企業まとめ アイキャッチ画像

ブラック企業から自分の身を守るために、休憩時間の法的な内容を知るのはとても重要です。

最後にもう一度、内容を確認しましょう。

まとめ

  • 手待ち時間であっても休憩時間とは限らない
  • 待機などの指揮命令があった場合は休憩時間ではなく労働時間である
  • 労働時間が6時間を超えたら45分は休憩時間が必要
  • 労働時間が8時間を超えたら60分は休憩時間が必要

ブラック社長のヤバい衝撃発言に関するQ&A

Q&Aアイキャッチ画像

何もしていなければ休憩時間になりますか?

手待ち時間であっても休憩時間になる時があります。⇒詳しくはこちら

仮眠時間は休憩時間になりますか?

休憩時間とは限りません。⇒詳しくはこちら

休憩時間はどのくらいの長さが必要ですか?

6時間超で少なくとも45分、8時間超で少なくとも1時間は必要です。⇒詳しくはこちら

この記事の監修者

社会保険労務士タカハシのイラスト

社会保険労務士 タカハシ

顧問先100社を持つ社会保険労務士事務所の代表。

日々の労務相談の経験から、リアルなブラック企業の実態を知る。

ブラック企業を減らし、幸せな職場を増やすべく日々奮闘中。

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