この記事はブラック企業にお勤めで、なぜブラック企業がなくならないかと思っている方に向けて書きました。
ブラック偏差値の高い社長の本音はどんなことを考えているのか、実話を元に再現しました。
うちの事務所とお付き合いのある企業は素晴らしい会社が多いのですが、一部ブラックな状態を改善しようとしない企業もあります。
この記事を読めばなぜブラック企業が存在するのか、そしてその企業の将来がどうなるかを予測することが出来るようになります。
なかなか表に出てこない情報を知り、ブラック企業から身を守れるようになりましょう。
衝撃ブラック発言 体罰与えた方が早く伸びるんですよ
飲食店の顧問先に訪問に行った時のこと。
ランチが終わった15時くらいにお店に着き、社長と面談の予定でした。
社長が料理人で、調理場で作業を行っていました。
どうもお邪魔します!
お忙しい中済みません、訪問させていただきました。
あ~、先生。
遠いところ済みません、もう少しで落ち着くのでちょっと待っててください。
はい、承知いたしました。
結構繁盛されているんですね、今日もお忙しかったですか?
まあまあかな、お客さんは引けたんだけど仕込みが残っててね。
もうすぐ終わりますから、あそこにお掛けになってお待ちください。
はい、ありがとうございます。
店内で待っている場所が店のカウンターの一角で、オープンキッチンなので調理場が良く見えます。
社長と職人さん数名が作業をしていました。
その時です、社長の怒鳴り声がしました。
おまえ、なにモタついんてるんだ!
(バーン)
まったく、気が利かねえな~!!
たぶん、職人さんがミスをしてしまったようなのですが、社長が職人さんに怒鳴っていました。
そしてその時、社長が手に持っていたフライパンで職人さんのお尻をバーンと引っぱたいていました・・・。
それはそれは、衝撃的な光景でした。
もう一人の職人さんは淡々と作業をしていたので、おそらく日常的な光景なのかもれません。
衝撃に打ちひしがれて30分くらいすると、社長がやってきました。
いや~、先生お待たせしました。
今日は特に忙しくて、なかなか抜けられませんでしたよ。
営業お疲れ様でした。
社長、なんかさっき職人さんに怒ってましたか?
そうなんですよ、あいつは何度言ってもトロいし、ミスするんだよね。
まったく、どうしたもんだか。
なんか、フライパンでバーンって。
職人さん、なにか失敗しちゃった感じですか?
まあ、そうなんだよね。
でも、正直体罰与えた方が早く伸びるんですよ。
やさしくやっても、言うこと聞かないやつもいるからね。
え~、本当ですか?
職人さん辞めちゃったりしませんか?
そうだね、最近の子はすぐ辞めちゃうよね。
本当に根性ないんだよ、イマ時の子は。
社長、イマ時でいうと体罰とか怒鳴ったりするのは、あまり良くないかも知れないですね。
いや、それは飲食のことを分かってない人が言ってるんだよね。
オレが若い頃はみんなそうやって育ったんだよ。
たしかに大変だったけど、いまはそれが自分の財産になってるんだよ。
そうかも知れないですが、最近パワハラ防止法っていうのがスタートしたんですよ。
簡単に言うと、暴力とか怒鳴ったりが禁止になったんですよね。
ホントに国ってのは現場を分かってないよね。
それって守らないとどうなるの?
はい、罰則はないのですが、あまりに悪質だと公表制度があります。
会社名が厚生労働省のホームページに載ってしまうんですよ。
そうなの?
店の名前とか公表されちゃうのかな?
はい、公表制度って最近出来たんですよね。
別件ですが助成金不正の件で、たしかローソンとか出てましたよ。
フランチャイズだと思いますが。
そうなんだね・・・。
最近って、法律も大事なんですけど風評被害も影響が大きいですよ。
SNSとかで簡単に職場の評判の口コミとか書き込めますから。
居酒屋のワタミも昔ありましたよね。
過労死出して親族ともめて、売り上げ大幅ダウンで。
実際、いまも影響ありますよ。
なんだろうね・・・。
このままじゃ職人が育たないよ。
ぬるま湯で育てたって、腕は上がらないよ。
たしかにそうかも知れませんが、こういう時代なんでしょうね。
私の事務所の顧問先でも本当に人不足って言われてますよ。
飲食も、美容室も、建設業も、ITも、学習塾も・・・。
もう、人の取り合いだと思いますよ。
お店の経営を考える上で、離職を防ぐってのも大事なのかも知れませんね。
そうなのかね~。
まあ、今後は気を付けてみるよ。
いきなりは変われないかも知れないけどさ。
そうですね、パワハラ防止法は結構浸透してきているので、対応していきましょう。
良い人材を獲得するためにも、やっておいた方がいいですよ!
ブラック企業がなくならない理由 社長の若い頃の職場がブラックだから
ブラック企業の共通点は、社長がブラックってことです。
そして、ブラック企業の社長の共通点は、自分の若い頃の職場がブラックな職場ってことです。
これはだいたい当たっていて、その若い頃のブラックな職場が自分の成長に役立っていると感じている場合が多いです。
なので、社長は愛のムチと思って相手の為にやっていると考えているので、実は始末が悪いんです。
たしかに、高度経済成長時代は大変な時代だったと思います。
殴る、蹴る、引っぱたく、みんなの前で怒鳴る、長時間の説教などが横行していて、これも指導の一環とされていた時代がありました。
ただ、時代が変わり現在は令和時代です。
個人が簡単にSNSで発信できるようになり、大きな力を持つようになりました。
また、国としても少子高齢化で少しでも労働力を確保したいところ、労働環境の整備は待ったなしです。
経営者として時代に敏感な社長は人不足を先読み手していて、離職率を低く抑えている会社もあります。
一方で、自分のやり方を悪い意味で貫いてしまう経営者もあり、人不足をモロに受けてしまう会社も少なくありません。
人材不足で倒産する会社も散見されます。
経営者の時代を読む目が、ブラック企業になるかならないかを分けている、といっても過言ではないでしょう。
ブラック企業あるある!パワハラは法律で禁じられています!
2020年6月1日に施行されたパワハラ防止法ですが、中小企業は2022年4月1日より義務化されました。
まずは、どのようなものがパワハラなのかを確認してみましょう。
【パワーハラスメントが発生する場面】
・上司による言動で相手を傷つけるような場面。
・同僚または部下による言動で、その人が必要な知識、豊富な経験を持ち協力が得られなければ仕事が進まない状態での相手の言動。
・同僚または部下からの集団による行為で、これに抵抗するまたは拒絶することが難しい状態での相手の言動。みんなの力が必要と分かっていながら、その立場を利用して追い込むような場面。
【パワーハラスメントの具体例】
・身体的な攻撃
①殴ったり蹴ったりすること。
②相手を攻撃するために物を投げつけること。
・精神的な攻撃
①人格を否定するような言動を行うこと。相手の性的思考・性自認に関する侮辱的な言動を行うことを含む。
②業務の遂行に関する必要以上に長時間にわたる厳しい叱責を繰り返し行うこと。
③他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うこと。
④相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メール等を当該相手を含む複数の労働者宛てに送信すること。
・人間関係からの切り離し
①言うことを聞かない者に対して、仕事を外し長期間にわたり別室に隔離したり、自宅研修させたりすること。
②一人の労働者に対して同僚が集団で無視をし、職場で孤立させること。
・過大な要求
①長期間にわたる、肉体的苦痛を伴う過酷な環境下での仕事に関係のない作業を命令すること。
②新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま無理な業績ノルマを課し、ノルマ達成できなかったら厳しく叱責すること。
③使いっぱしりのような、業務とは関係のないプライベートな雑用を命令すること。
・過小な要求
①管理職である労働者を退職させるため、簡単な業務のみを行わせること。
②気にいらない労働者に対して嫌がらせのために仕事を与えないこと。
・個の侵害
①労働者を職場の外でも監視したり、プライベートな写真撮影をしたりすること。
②労働者の性的指向・性自認や病歴、不妊治療等のデリケートな個人情報について、本人の了解を得ずに他の労働者にバラすこと。
引用元:パワーハラスメント防止指針 令和2年厚生労働省告示第5号
これは肌感覚ですが、多くの企業で該当していると思います。
企業側の義務としては相談窓口を設ける必要があるので、人事部や総務部にホットラインが設置されます。
これはパワハラに当たる!と思ったときはすぐに相談するようにしましょう。
ただ、中小零細企業はホットライン自体がない、あるいはホットラインの先が社長担当で社長がパワハラ常習犯の場合はどうにもなりません。
その場合は各都道府県にある労働局に電話相談してみましょう。
労働局には雇用環境均等部(室)という部署があり、パワハラ案件を担当しています。
そして、相談してもどうにもならない場合は転職を視野に入れておきましょう。
エマ先生、いま時こんな社長さんがいるんですね。
一瞬ドッキリかと思いましたよ!
そうだよね、指導方法が時代に合ってない気がするよね。
いわゆる職人気質ってやつかも知れないけど、僕だったらすぐ辞めますね。
ていうか、こんなことしてる店は早く潰れちゃえばいいのに!
コタロウ、それは言い過ぎでしょ?
でも職人さんも料理が好きで就職したんだから、もっと料理を楽しめるようないい職場になるといいね。
確かにそうですね。
・・・僕はエマ先生と働けて幸せです!
そう?ありがとう。
一緒にいい職場を作って行きましょう!
はい、頑張ります!
まとめ
ブラック偏差値の高い社長の発言は、たいして深い考えもなく言っていることが多いんです。
自分の若い頃の時代が正しいと考え、違法なことに手を染めようとする社長がいます。
社長も人間だもの・・・で、徐々に成長してくれれば良いのですが、まったく考えを変えないブラック社長もいます。
もし会社に未来はないと思った方は、転職を視野に入れるのもありかも知れませんね。