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「ブラック企業の偏差値」という言葉を耳にしたとき、あなたはどんな思いが頭をよぎりましたか?
就職活動中の学生さん、転職を考えている社会人の方、もしかしたら今の職場に不安を感じている方もいらっしゃるかもしれません。
「この会社、本当に大丈夫なのかな?」
「評判の良い企業ばかりに人が集中して、私には選択肢がないのでは?」
「ブラック企業を避けたいけど、どうやって見分ければいいの?」
この記事では、ブラック企業の実態と、その偏差値の意味を徹底解説します!
中小零細企業においての、ブラック度が高いものを高い偏差値にしてあります。
判断の基準は法令違反をしていて人命が侵されるものが一番高く、また金銭的な被害が大きいものもブラック度が高いと診断してあります。
- 法律は守るのが前提ではあるけど、重いものと軽いものがある
- 中小零細企業でありがちなブラック事例がある
- なぜそうなってしまうのか、原因と背景を知っている
私は労務管理に15年携わっていますが、今までの経験を活かし、より具体的に分かりやすくリアルなブラック企業の状態をお伝えします。
さあ、一緒に「ブラック企業」のモヤモヤをスッキリ解決し、理想的な働く環境を実現しましょう!
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偏差値レベル | ブラック企業行為の内容 |
偏差値80以上 | 月間250時間以上の労働 |
偏差値75以上~ 80未満 | 労災事故隠し |
偏差値70以上~ 75未満 | 残業代を払わない |
偏差値65以上~ 70未満 | 社会保険未加入 |
偏差値60以上~ 65未満 | 雇用保険未加入 |
偏差値55以上~ 60未満 | 偽装業務委託 |
偏差値50以上~ 55未満 | 有給を使わせてくれない |
*ブラック偏差値は高いほど環境が悪いという意味です。
ブラック企業偏差値80以上!月間250時間以上の労働
ブラック偏差値のワースト1位は、月間250時間以上の長時間労働となります。
これは何故かというと、長時間労働は心と身体を著しく壊してしまう原因となるからです。
実は労働基準法には働く時間の限度が定められていて、これを守らないと法律違反ということになります。
法律で定められている労働時間の限度は何時間?
労働基準法に定められている労働時間の限度は、1日8時間、1週間40時間となります。
実際の労働基準法の条文を確認してみましょう。
●使用者は、労働者に、休憩時間を除き1週間について40時間を超えて、労働させてはならない。
●使用者は、1週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を超えて、労働させてはならない。
引用元:労働基準法第32条
たとえば、9:00~18:00勤務でお昼休憩1時間だと実働8時間になりますね。
これを月曜日~金曜日まで行うと1日8時間×5日間となるので、週40時間となります。
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曜日 | 出勤時間 | 休憩時間 | 実働時間 |
月曜日 | 9:00~18:00 | 1時間 | 8時間 |
火曜日 | 9:00~18:00 | 1時間 | 8時間 |
水曜日 | 9:00~18:00 | 1時間 | 8時間 |
木曜日 | 9:00~18:00 | 1時間 | 8時間 |
金曜日 | 9:00~18:00 | 1時間 | 8時間 |
1週間の合計時間は実働40時間
この1週間40時間を超えた労働は、法律違反となります。
これを聞くと、ほとんどの会社は法律違反になってしまうのですが、ここに例外があります。
それは労働者と会社側で協定を結び、具体的にどの位まで限度を超えて労働するかを約束します。
これを一般的には36協定といい、毎年労働者と会社側で約束し労働基準監督署に提出します。
ちなみに、36協定は1か月の限度時間(1日8時間、週40時間)を超えた時間は45時間までという国のルールがあります。
したがって36協定があるから青天井で働いても良い、とはならないのです。
ブラック企業に振り回されない為に、残業ルールの基本を勉強しておくことをお勧めします。
ブラック企業の長時間労働の具体例
長時間労働になるに従い、ストレスでうつ病といった精神障害や、疲労による注意散漫が引き起こす事故などがあります。
最近では、ある一定の労働時間を超えると過労死ラインというものが設けられています。
1日8時間、週40時間を超えた時間数が単月で100時間超、2か月~6か月の平均が80時間超で万が一亡くなった場合は過労死判定されることになります。
具体例を見てみましょう。
具体例(1)
1日8時間、週40時間を超えた時間数が・・・。
5月 40時間
6月 50時間
7月 110時間 → 自殺した
この場合自殺した原因を調査することになりますが、7月の時間外労働の時間数が100時間を超えています。
つまり会社が働かせすぎて自殺したのではないか?と考えられるのが一般的です。
具体例(2)
1日8時間、週40時間を超えた時間数が・・・。
6月 70時間
7月 80時間
8月 93時間 → 自殺した
1か月平均は(70時間+80時間+93時間)÷3か月=81時間
6月、7月、8月の3か月合計の1日8時間、週40時間を超えた時間数は243時間、1か月平均は81時間となり、ここで事故が起きると会社が働かせすぎたのではないか?と考えられます。
以上のように、1か月で働きすぎ、複数月によって働きすぎというのは国の基準を大幅に違反しているだけでなく、働く人の心と身体をボロボロにしてしまうことを知っておきましょう。
あまりに長い時間の労働は命の危険があり、非常に悪質なものとなります。
ブラック企業の休日日数のよくある誤解
よく年間104日以上休日が無いとブラック企業だ・・・といった情報を見ますが、法律は年間104日以上といった基準はありません。
休日日数のルールは1週間に1日の休日を与える、というものになります。
たしかに休日日数が多いのに越したことはありませんが、表面だけで捉えてしまうと良い会社なのにブラック企業と決めつけてしまうことも。
1週間に1日の休みがブラック企業かどうかを、具体的に見てみましょう。
具体例
週6日勤務の場合
月曜日 実働6時間
火曜日 実働6時間
水曜日 実働6時間
木曜日 実働6時間
金曜日 実働6時間
土曜日 実働7時間
1週間の合計37時間
年間休日の日数は104日無いのですが、1日8時間1週間40時間以内となり、問題なく国の基準を満たしています。
よく学習塾などで見られるパターンですが、休日の日数のみでブラック企業を判断するのではなく、月間の労働時間数で判断するのがお勧めです。
ブラック企業偏差値80以上のまとめ
長時間労働は法令違反の中でも一番健康を害しやすく、最悪の場合過労死事故が発生する可能性がある違反です。
それを平気で行っている会社は、今すぐにでも退職するべきです。
最近は情報化社会でいくらでも過労死の事例は出てきます。
その時代にもかかわらず長時間労働をやめないのは、働く人を人間と思っていない可能性があります。
命あるうちに、そのような職場から逃げるようにしましょう。
エマ先生、なんで会社って長時間労働させたがるんでしょうね?
色んな理由があるけど、会社の利益を出したいからかな。
結構お給料が高いところって長時間労働が多いイメージあります。
そうだね、高いお給料を回収しないといけないから、沢山働いてもらいたいんだよね。
でも、それで体壊してうつ病になったり、最悪自殺したりとか絶対許されませんよね。
本当だよね。
こんなこと言いたくないけど、自分のことしか考えてない社長もいるから。
時間外労働が月80時間以上になったら要注意だね!
長時間労働を止めようとしないブラック企業名リストを知りたい方は、厚労省が公表!法令違反のブラック企業リストを見てください。
ブラック企業偏差値75!労災事故隠し
労災事故が起きても、労災の申請をせずうやむやにしてしまうのが労災事故隠しです。
これは重大な違反であり、もし発覚したら会社に対して国も重いペナルティを課します。
そもそも、会社は働く人に対して安全に働いてもらうように管理するといった「安全配慮義務」があります。
その安全配慮義務を果たせなかったばかりか、働く人の心情を全く考えず事故をもみ消すのはとても重大な問題となります。
ブラック企業の偏差値も高いものとなるのは当然のことでしょう。
●使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をするものとする。
引用元:労働契約法第5条
ブラック企業でなぜ労災隠しが起きるのか
ブラック企業で労災隠しが起きる理由は、労災が発覚すると一定以上の規模の会社は保険料が上がるからです。
労災とは国の労災保険制度のことで、会社が保険料を支払い、労災事故が起きたときに国が給付を行います。
事故が少ない方が国にとっても企業にとっても良いことです。
そこで、事故が少ない企業には「メリット制」という仕組みがあり、保険料が安くなる特典があります。
これは、自動車保険で無事故だと保険料が下がるのと似ています。
このため、事故を隠して保険料を上げたくないと考える企業があるのです。
もし労災事故が発生した場合、被災した方は健康保険の保険証を使えといった指示がある場合がありますが、本人は3割負担となり会社に落ち度があるのに自腹を払う羽目になります。
これは国の法律を無視した重大な違反行為となります。
ブラック企業の労災隠しの闇
労災事故はよく建設業において発生することがありますが、業界の特徴として重層的請負制度が一般的です。
つまり元請け会社があって、一部の建設業務を下請け、そして下請けがまた一部の業務を孫請けに委託するケースが一般的です。
そして労災保険は元請けが一括して加入するので、労災保険料は元請けがまとめて国に納付します。
そして闇の部分ですが、下請け会社が労災事故を起こしてしまうと、先ほどのメリット制で元請け会社の労災保険料が高くなってしまうのです。
元請け会社から見ると、「あの下請け会社は事故を起こしやがった。安全管理がなっていない。おかげでウチの保険料も上がってしまった。次の工事は違う下請けを検討しようか・・」といった事態になることがあります。
それを想定できるので下請け会社は労災事故が起きても、もみ消してしまうといった事態が起こってしまうのです。
建設業界ではよく「元請けには迷惑をかけられないからな・・・」といった場面は耳にするところです。
更に言うと、下請けが起こした事故が重大事故で、重い障害が残ってしまった場合は誰が監督していたのかといった責任問題にもなり、元請け会社も金銭補償を行うケースが少なくありません。
補償が悪い訳ではないのですが、こいうった状況も労使隠しの一因かもしれません。
ブラック企業偏差値75のまとめ
労災保険は「労働者災害補償保険法」といった法律に基づいた略称であり、文字通り労働者の為に設計された保険制度です。
仕事中や通勤の事故は保険制度でまかない、無料の治療や休業補償、障害に対する年金制度など手厚い保護があります。
このような制度を正しく活用するのがあるべき姿といえるでしょう。
また、十分に注意していても事故は起きます。
その事故を隠してしまうのではなく、元請け会社など関係会社と共有し、二度と事故を越さないようにすることこそが求められています。
もし、労災隠しを会社が行っているとしたら、ブラック企業偏差値は高いものとなるでしょう。
労災隠しは本当にやめて欲しい。
働く人を何だと思っているの?
エマ先生、労災使えないとなると健康保険証で治療ですよね。
そう、本来は負担しなくて良いのに、病院窓口でお金払うんだよ。
ありえなくない?
たしかにそうですね。
なんか現場でケガすると責められるケースがありますよね。
「やり方が悪いんだ!」的な。
そうなんだよ。
でも法的には会社に安全配慮義務があるんだよね。
だから、もし事故が起こったら会社の責任、元請けの責任なの。
働く人、ましてやケガしている人に我慢させるなんてありえない。
本当ですね、もっと真っ当に保険制度を使ってほしいです。
安全管理を怠っているブラック企業名のリストを知りたい方は、厚労省が公表!法令違反のブラック企業リストを見てください。
ブラック企業偏差値70!残業代未払い
結論から言うと、長時間労働を助長させるだけでなく働く人の生活をも脅かすからです。
1日8時間、1週間40時間を超えて働いた時間は時給に換算して1.25倍で割増賃金を計算します。
●使用者が(中略)労働時間を延長し、又は休日に労働させた場合においては、その時間又はその日の労働については、通常の労働時間又は労働日の賃金の計算額の2割5分以上5割以下の範囲内でそれぞれ政令で定める率以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならない。
引用元:労働基準法第37条1項
仮に会社で決まっている1日の労働時間は8時間労働として、9時間働いたら1時間分を1.25倍しますが、これを払わない会社があります。
こういった会社は従業員に対しての意識が低く、また労働基準監督署が立ち入り調査に入るなどといった痛い目を見ないと、意識を改めない傾向があります。
そもそも、この1.25倍というのは国が会社に対して長時間労働を抑制するといった狙いがあります。
長時間勤務させるんだったら、多めに給料払ってね、それがいやだったら1日8時間、1週間40時間に抑えてね、といった意味合いです。
割増賃金は長時間労働の抑制、働く人の生活の安定につながります。
長時間労働というのは働く人の健康を害しやすく、実際に多くの事故があります。
心が壊れうつ病、自殺、そして疲労による注意散漫で事故発生など、長時間労働が多くの悲劇の温床となっています。
にもかかわらず長時間働かせる、その上残業代を支給しないというのは非常に悪質で、従業員に冷たい、非情な会社といっても過言ではありません。
ゆえに、ブラック企業の中でも問題のある特徴といえるでしょう。
残業代の法的な基本ルールを知りたい方は、残業ルールのキホン 知っておくべきポイントを見てください。
ブラック企業で残業代未払いが起きる理由
よくある例としては、そもそも社長が残業代を知らない、あるいは払わなくてもなんとかなるだろうといった無知から起きるケースです。
たとえば採用の際に「この人は月給30万にしよう」と考えて採用、今の会社の利益からみたらギリギリだな・・・と思いつつ月給を決定します。
その際業代はまったく考えていないので、残業代を払わなくてはならないと知っても後の祭り、もうどうにもなりません。
つまり、最初の給与設定が甘いケースが多いのです。
たとえば社員さんを採用する場合は残業代はもちろん、社会保険料や雇用保険料がかかります。
そういったことを後回しにして、逆に社員さんから指摘があると、あたふたしてしまうことになります。
また、これは感覚的な話になりますが、最初から残業代を払おうと思っていないと思われるケースもあります。
たとえば、高額な税金はしっかり納めているのに、月間数万円の残業代は払わない・・・といった事例があり、そもそも残業代を払おうとする気がないのでは?と思ってしまいます。
エマ先生、これって無能な社長のせいで、従業員さんが我慢しなきゃならないんですよね?
いちがいには言えないけど、たしかにそういうケースもあるね。
そんな会社潰れればいいんだ!って思うけど、潰れてしまったら、働いている人がかわいそうですよね。
そうなんだよね、だから社長さんにはちゃんと勉強して欲しいね。
みんなが安心して働ける職場を作らなきゃね!
ブラック企業の残業代未払いの裏ワザ
たまに残業代を払わないで済む裏ワザとして、管理監督者は残業代を支払わなくてよい、といった話がありますが通用しません。
この管理監督者というのは、実際の運用は非常に難しく、実務上労働基準監督署でも判断できないケースが多々あります。
たとえば、管理監督者のパンフレットを見ながら労働基準監督署に「管理監督者の具体例を教えてもらえますか」というと、「パンフレットに書いてある通りです。パンフレット読んでください」と軽くあしらわれるケースがよくあります。
他の地域の労働基準監督署に連絡すると、同じように返されることがあります。
ちょっとマニアックな話ですが、この管理監督者の定義というのは判例の積み上げで基準が出来ており、明確な法律条文が少ないのです。
簡単にいうと、大まかなルールはあるんだけど基準が曖昧、といったイメージです。
具体例として、管理監督者を判断する基準の一つにお給料の金額がありますが、明確な金額の定めがありません。
これでは、企業が悪用してしまうケースもあるかもしれませんね。
管理職だから残業代払わなくていいってのはダメ!
実態が管理監督者じゃないケースが多いから注意してね!
ブラック企業が考えるヤバい裏ワザを知りたい方は、【閲覧注意】ブラック社長ヤバい衝撃発言 全員管理職で残業代節約編を見てください。
ブラック企業が悪用するみなし残業
残業代の支払い方で、みなし残業というものもあります。
これは、残業代は毎月定額にしてその残業代を毎月支払うというものです。
会社側のメリットとしては、残業時間が増えるたびに残業代を増やす必要がなく、人件費的に安くて済むことがあります。
ただ、これは表面的な話で誤解も多くあります。
まず、このみなし残業代というのは何時間分が含まれた残業代か明記しておかなくてはなりません。
イメージ
例)
基本給250,000円
みなし残業代50,000円
月給の合計が300,000円の場合
250,000円÷173時間×1.25≒1,807円
50,000円÷1,807円≒27時間
*月間の所定労働時間を173時間とした場合
つまりみなし残業代50,000円は27時間分の残業代を吸収します。
そしてみなし残業代は何時間分を吸収するかを、労働条件通知書または雇用契約書で明確にしておかなければならないのです。
また、もし27時間分を超過して働いたら、その超過分は追加で支払わなくてはなりませんが、この超過分を払わないブラック企業が多くあります。
このみなし残業代は非常にトラブルも多く、多くの判例があります。
判例で言及しているのは結構共通していて、「みなし残業代を使うなら何時間分か決めてね、そしてそれを分かるように明記してね」という内容です。
明記については労働条件通知書や雇用契約書、そして就業規則に記載が必要になります。
ただ中小零細企業を見るとルールも何もない中でみなし残業制度を使っていることも多く、自社の都合の良いように解釈している場面が散見されます。
みなし残業だから残業代は払わなくていい、なんてことはありません!
ちゃんと雇用契約書か労働条件通知書を確認してね!
ブラック企業偏差値70のまとめ
残業代を払わない会社は、間違いなく従業員を大事と思っていないでしょう。
会社が利益を追求するのは悪いことではありませんが、一方で残業代をきちんと支払っている会社もあります。
残業代を支払っていない会社はある意味、ズルして勝とうとしていると見られても致し方ありません。
従業員のことを考えず、会社のことしか考えない社長は行く末も期待できません。
こういったブラック偏差値が高い会社からは、一刻も早く退避しましょう。
エマ先生、残業代払われないのは本当によく聞きます。
そうなんだよね。
ブラック企業の社長はあの手この手で払わないから、しっかり知識を付けないとね!
ブラック社長の残業代を払わないあの手この手を知りたい方は、【実録】ブラック社長のヤバい衝撃発言 残業時間は休憩で吸収編を見てください。
ブラック企業偏差値65!社会保険未加入
社会保険とは一般的に健康保険と厚生年金保険を合わせた略称です。
通常、法人の会社は従業員は社会保険加入が義務づけられています。
ポイント
健康保険(医療の保険)+厚生年金保険(年金の保険)=社会保険
従業員は正社員のようなフルタイムの方はたいてい加入が必要なのですが、加入させていないケースがあります。
社会保険は病気の時に保険証を病院で提示して3割負担で済むといったメリットもありますが、もっと大きいメリットがあります。
それは、厚生年金制度に入れるということです。
一生モノの年金制度なのですが、会社が法律違反をして加入させていないのは悪質で、従業員さんの老後が目減りしてしまいます。
その目減りした年金は死ぬまで続きます。
年金の保険料を納めているうちは実感が無いのですが、かならず老後はやってきます。
社会保険未加入はかなり悪質な違反といえるでしょう。
この法律において「適用事業所」とは、次の各号のいずれかに該当する事業所をいう。(中略)
●個人経営の事業所で、常時5人以上の従業員を使用する法定業種に該当するもの。
●国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの。
引用元:健康保険法第3条3項
次の各号のいずれかに該当する事業所若しくは事務所(以下単に「事業所」という。)又は船舶を適用事業所とする。(中略)
●個人経営の事業所で、常時5人以上の従業員を使用する法定業種に該当するもの。
●国、地方公共団体又は法人の事業所であって、常時従業員を使用するもの。
引用元:厚生年金保険法第6条
つまり、大まかに言うと5人以上のフルタイム勤務の方がいる個人事業、または株式会社や有限会社といった法人は社会保険に必ず入る必要があります。
ブラック企業は教えてくれない年金制度
非常に複雑な年金制度なので、まずはざっくりと大まかにイメージを見てみましょう。
(分かりやすさ優先なので、若干の誤差がありますのでご了承ください)
無職の方、自営業の方
国民年金に加入します。
毎月約16,000円の保険料を支払い、MAX40年保険料を納付します。
40年納め終えた時のもらえる年金額は年間約800,000円、月間で約66,000円~68,000円の年金を受給します。
サラリーマンの方
厚生年金保険に加入します。
この、厚生年金保険は実は国民年金と厚生年金が2つがワンセットになっています。
老後にもらえる年金は国民年金だけでなく厚生年金保険からも年金が支給されます。
ちなみに金額ですが、過去にもらっていた報酬額によります。
非常におおまかな計算ですが、ボーナス込みの平均月収が300,000円で40年間納めると年間約800,000円の年金受給が可能です。
したがって、老後は国民年金から年間約800,000円、厚生年金保険から年間約800,000円といった金額が支給されるので、ダブルで受給できることとなります。
ブラック企業の社会保険未加入の理由
一番大きな理由としては、会社の出費が増えてしまうことです。
社会保険は保険料が会社と従業員さんで折半となるので、社会保険に入るということは、半分は会社の出費が増えることを意味します。
会社としては出費を減らしたいために、出来るだけ加入したくないといった意見が見受けられます。
更に言うと、社長が年金制度を知らないといったケースが多々あります。
ただ何となく出費が増えるから、社会保険は入らない・・・という単純な理由で入らないことも多いのです。
実際にある社長から社会保険の相談を受けた時に、こんなことを言われました。
「オレの周りで社会保険に入っている社長なんかいないよ?そんなの守っていたら、会社がつぶれちまうよ!」
お友達の社長が未加入だから自分も入らなくて良いということですが、従業員さんにとってみたら悲劇です。
老後一生続く年金が、そんなくだらない連帯感でもらえなくなってしまうのです。
会社は従業員さんの一生に関わります。
社長さんにはちゃんと勉強して欲しい!
社会保険未加入のブラック社長のホンネを知りたい方は、【実録】ブラック社長のヤバい衝撃発言3選 社会保険編を見てください。
社会保険に加入しなくてよいケースもアリ
ここで補足ですが、法的に社会保険に入らなくてよいケースもあります。
それは個人事業主の事業で、加入予定の方が5人未満の時です。
法的に未加入がOKな場合
個人事業主+従業員が5人未満=社会保険に入らなくても法的に問題なし
例えば、立ち上げたばっかりの事業で個人事業主の代表と従業員さん2名だったら、社会保険は加入しなくて問題ありません。
また、そのような状態でも社会保険に加入するといった任意適用という制度もあります。
ブラック企業偏差値65のまとめ
社会保険は従業員さんにとって扶養といったメリットもあります。
奥さんが専業主婦で、お子さんが小さいと無料で健康保険制度に入れます。
そして、奥さんは無料で国民年金制度に入ることができます。
このように非常に優れた制度なのですが、社会保険未加入で従業員さんのことを適当に扱っている会社は悪質なブラック企業と言えるでしょう。
そのような兆候があったら、会社をすぐにでも変えることをお勧めします。
エマ先生、実際に社会保険未加入の会社ってあるんですか?
意外とあるよ。
老後の年金に影響あるのに、未加入はやめて欲しい!
なんか違和感あるんですけど、なんで未加入の会社ってそのまま運営できてるんですかね?
従業員さん怒らないんでしょうか?
色んなケースがあるけど、社会保険は働く人の手取りも減っちゃうんだよね。
だから労使ともに未加入がいいって会社も実際あるの。
でもそれって、違法ですよね。
そして老後になって後悔しても、後の祭りみたいな。
そうなの。
そもそも会社の責任って重いんだよね。
そこを社長さんには本当に分かってほしい!
ブラック企業偏差値60!雇用保険未加入
結論、失業した時にもらえるはずの失業手当がもらえなくなり、非常に苦しい就職活動を迎える可能性があります。
そして、その原因は社長が制度自体をあまりよく知らないケースが多いです。
そもそも社長は余計な出費をしたくないと思っている人がたくさんいます。
雇用保険もなんだか分からないし、いくらかかるかも知らないし、余裕が出たら入ろう・・・と思っている社長も結構います。
ただ、雇用保険は失業した時のセーフティネットで、働く側にとってはとても重要な国の保険となります。
それを大して調べもしないで、何となく未加入というのはブラック企業と呼ばざるを得ません。
悪質な状況と言えるでしょう。
ブラック企業の雇用保険未加入の理由
これは社長が知らないケースがほとんどです。
雇用保険は保険料が安く、金額を聞いて驚かれることが多いです。
雇用保険料の概要
【従業員さん月給10万円の場合】
会社負担 650円
従業員さん負担 350円
*令和4年4月1日時点の法令において(一般の事業の場合)
1か月でこの金額なので、実は払える会社も多いのですが、社長が知らないばかりに、働く人が不利益を被ってしまうんですね。
また、ハローワークの窓口でもトラブルになるケースが増えていて、「自分は雇用保険に入っていたつもりだったのに、じつは未加入だった、ふざけるな!」といった事例が結構あります。
ブラック企業の雇用保険未加入の実態を知りたい方は、【実録】ブラック社長のヤバい衝撃発言 雇用保険入らなくてもバレない編を見てください。
ブラック企業は教えてくれない雇用保険
雇用保険に未加入な社長は不勉強と言わざるを得ません。
会社の状況が加入を許さないならともかく、保険料も非常に安いので入れないことはまず考えられません。
このような従業員をないがしろにする会社からは、立ち去った方がよいでしょう。
●この法律においては、労働者が雇用される事業を適用事業とする。
引用元:雇用保険法第5条
ここでいう労働者とは1週間で20時間以上働いている方で、31日以上勤務見込みのある場合です。
雇用保険の未加入は意外とあるの。
5人位までの零細企業は要注意かも。
そうなんですね!
でもエマ先生、実際どうやって確認すればいいんですか?
会社に「雇用保険被保険者証」っていう書類があるはずだから、見せてもらうといいんじゃないかな。
あと、お給料から雇用保険料が引かれていない時は要注意だね。
失業手当ってたしか、数十万になる時もありますよね。
加入しているか不安な時は、しっかり確認ですね!
失業手当の仕組みや金額がいくらもらえるかを知りたい方は、3分で分かる!失業手当をもらう方法 金額も公開!を見てください。
ブラック企業偏差値55!偽装業務委託
本来は従業員に指揮命令を出して雇用しているのに、業務委託で雇用していないと言い張る社長がいます。
この業務委託とは平たく言うと社外の人間だということになり、社会保険、雇用保険、労災保険に加入させず、残業代も払わなくてよいということになります。
こういった表面上だけ取り繕って脱法行為を行うのは、非常に悪質な行為と言えるでしょう。
業務委託のメリットデメリット
業務委託とは大まかにいうと、社外の人間ということになります。
具体的には他の会社の方で一緒に仕事しているだけの関係なので、報酬については業務の対価として支払われます。
例えば、A業務が終わったら3万円、B業務が終わったら5万円といったイメージです。
会社としては業務委託にすることで、社外の人間に対して社会保険、雇用保険、労災保険に入れる必要がなく、どれだけ働かせても残業代もしはらう必要がありません。
これが会社にとってのメリットになります。
業務委託のデメリットは、直接指揮命令ができない、時間拘束ができないことにあります。
社外の人間なので当然といえば当然なのですが、実際に指揮命令されているケースも多く、偽装業務請委託といった事例も良くあります。
ブラック企業偏差値55のまとめ
「業務委託で様子見て、問題なければ社員登用だから」というのは偽装業務委託の可能性が高いです。
会社は安く使おうと思っていると考えられ、とても悪質を呼べるでしょう。
口車に乗ってはなりません。
いわゆる「なんちゃって業務委託」って意外とあるんだよ。
社会保険とか残業代とか、全部逃げられると思ってるの。
エマ先生、なんか最近なに聞いても驚かなくなりました。
会社を守るためなら、何でもありですね!
マジで、つぶれちまえって思います。
そうだね、そういう従業員さんに迷惑をかける社長は困っちゃうよね。
もし今務めている会社がそんなひどいブラック企業の場合は、転職活動も視野に入れてみて。
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ブラック企業偏差値50!有給取れない
働き方改革で有給5日取得が義務付けられています。
現在の日本企業の平均取得率は約50%なので、手持ちの日数をすべてというのは難しいかもしれませんが、全く使わせないのは法律違反となります。
そもそも、この年次有給有給休暇をしっかり管理していない会社も散見され、初めから取らせるつもりがない会社もあります。
●使用者は、その雇入れの日から起算して六箇月間継続勤務し全労働日の八割以上出勤した労働者に対して、継続し、又は分割した十労働日の有給休暇を与えなければならない。
引用元:労働基準法第39条
大まかにいうと入社してから6か月後に10日有給付与しなさいという意味で、6か月の間に8割以上出勤という条件付きとなります。
ちなみに、年末年始休暇がもともと会社の休みで、それを今後は会社の有給で休ませるというのは違法です。
会社の休み時期は変わらず、原則は自分の希望で有給の時期を決めるのがルールとなります。
有給休暇の基本的な法的ルールを知りたい方は、有給休暇のキホン 知っておくべきポイントを見てください。
ブラック企業の有給使用を使わせない理由
会社に余裕がないからといった理由がありますが、意外と多いのが、社長がサラリーマンだった頃、自分がとらせてもらえなかったというのがあります。
また、この業界は有給がないからといったコメントもあり、取れる取れない以前に、初めから取らせるつもりがないという状況が少なくありません。
よくある有給休暇の誤解
ただ繁忙期をズラしてもらうことは違法ではなく、これを時季変更権と言って会社が認められている権利です。
ただ、有給を取ることは拒否はできないので、下記の通りとなります。
具体例
「有給取りたい!」と希望があった。
OKパターン→今は忙しいから来月にしてくれないか?
NGパターン→有給を取るなんて会社のことを考えているのか?認めない!
ブラック企業偏差値50のまとめ
有給5日を取らせるのはさほど無理なことは言ってないので、まったく取らせないのは初めから取らせないつもりと同じです。
悪質な会社と呼べるでしょう。
エマ先生、実際有給を取らせない会社って罰則とかあるんですか?
あるよ、1人当たり30万円の罰金。
でも本当に罰金払うことって、あまり聞かないけどね。
そうなんですね、実効性が欲しいところですよね。
たしかにそうだよね。
ただ、今まで色んなブラック企業の事例を見てきたけど、たぶん長く続かない企業が多いはずだよ。
それは何でですか?
今は働く人が会社を選ぶ時代、少子化で人不足だしね。
だからブラック企業に対しては「NO!」を突き付ける時代なんだよ。
ブラックな企業は人がどんどん辞めていく。
規模が縮小する、人手不足倒産していくといったケースが増えると思うよ。
なるほど、たしかにそんな気がします。
やっぱり、働く人もブラック企業を見極めるために、勉強が必要ってことですね!
そうだね、社長さん、働く人、そして私達みんなで良い職場を作らなきゃね!
コタロウ、これからもよろしくね!
はい、頑張ります!
ブラック企業の有給休暇の実態が気になる人は、【実録】ブラック社長のヤバい衝撃発言2選 有給休暇編を参考にしてください。
ブラック企業の特徴8選 まとめ
これらのブラック企業情報は、非常にブラック偏差値の高く悪質なものとなります。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
まとめ
- 偏差値80以上 ⇒ 月間250時間以上の労働
- 偏差値75以上~80未満 ⇒ 労災事故隠し
- 偏差値70以上~75未満 ⇒ 残業代を払わない
- 偏差値65以上~70未満 ⇒ 社会保険未加入
- 偏差値60以上~65未満 ⇒ 雇用保険未加入
- 偏差値55以上~60未満 ⇒ 偽装業務委託
- 偏差値50以上~55未満 ⇒ 有給を使わせない
ブラック企業は法律違反をしているケースがほとんどなので、どのようなことが違反かを理解しておきましょう!
ブラック企業の特徴8選|偏差値80~50まで Q&A
一番ヤバい長時間労働ってどのくらいですか?
1か月間で250時間以上の労働のことです。⇒詳しくはこちら
残業代未払いって具体的にどんな状況ですか?
社長が払おうと思っていない、管理監督者やみなし残業の悪用などです。⇒詳しくはこちら
社会保険未加入ってどんなデメリットがあるの?
老後にもらえる年金が大幅に減ってしまいます。⇒詳しくはこちら
この記事の監修者
社会保険労務士 タカハシ
顧問先100社を持つ社会保険労務士事務所の代表。
日々の労務相談の経験から、リアルなブラック企業の実態を知る。
ブラック企業を減らし、幸せな職場を増やすべく日々奮闘中。