この記事はブラック企業にお勤めで、なぜブラック企業がなくならないかと思っている方に向けて書きました。
ブラック企業の社長の本音はどんなことを考えているのか、実話を元に再現しました。
うちの事務所とお付き合いのある企業は素晴らしい会社が多いのですが、一部ブラックな状態を改善しようとしない会社もあります。
この記事を読めばなぜブラック企業が存在するのか、そしてその企業の将来がどうなるかを予測することが出来るようになります。
なかなか表に出てこない情報を知り、ブラック企業から身を守れるようになりましょう。
衝撃ブラック発言 失業手当は必要ない子なの
ある日新規の顧問先から問い合わせがありました。
最近依頼があり雇用保険加入の手続きを行ったのですが、加入後1か月位で連絡がありました。
あ、先生ですか?
いつもお世話になります。
あぁ、社長の奥様ですね?
いつも大変お世話になっております。
早速だけど、雇用保険抜けていい?
え?
もう抜けるんですか?
先日お手続きしたばかりですよね。
雇用保険に入る方が、全員辞めてしまったとかでしょうか?
ううん、違うのよ。
そもそも雇用保険に入ろうとしたのは、雇用調整助成金を貰おうとしたからなのよ。(雇用調整助成金は後述)
はあ、まあ助成金を貰うためには必要ですが、助成金に関係なく1週間に20時間以上働いている方は雇用保険に加入が必要なんですよ。
雇用保険は失業手当が貰えるようになる保険で、万が一会社を辞めてしまった時の強い味方なんですよ。
いえいえ、あの子たちはそういう子じゃないから。
失業手当は必要ない子なの。
だから抜けて大丈夫なのよ。
あの子たちって、従業員さんには説明されたんですか?
失業手当が貰えなくなってもいいんでしょうか?
数十万円になるケースも多いんですよ。
うーん、そういうことは多分必要ないって言うわよ、あの子たちは。
お言葉ですが、従業員さんの権利を奪うのはどうかと思います。
会社の務めとして、きちんとお給料を払う、各種保険に入れるっていうのは会社の義務ですよ。
まあ、私自身お給料をもらってないけどね。
そうでしたか、でも奥様が無給なのはたまにありますよね。
わたし、じつは奥さんじゃないの。
色々あるのよ。
そ、そうでしたか。
これは失礼いたしました。
(心の声:も、もうこの会社と関わりたくない・・・。)
雇用調整助成金とは
コロナ禍でも会社が従業員さんを解雇しないように開発された国の制度です。
会社の売り上げが下がって人手が余った時、従業員さんを休ませて休業手当を従業員さんに払うと、会社に国からお金が支払われます。
そうすることで雇用の維持が進み、従業員さんの生活を守ることが出来ます。
ちなみに雇用調整助成金を貰うためには雇用保険に入ることが必須となっており、雇用調整助成金欲しさに雇用保険加入の手続き依頼が一時期殺到しました。
本来は、要件に該当した段階で入らなくてはならないのですが・・・。
そして、雇用保険とはどのようなものか、失業手当について記事にまとめました。
また雇用保険には、退職後スピーディーに就職するとご褒美金も用意されています。
雇用保険は失業した時の給付がとても手厚くラインナップされています。
活用する場面があるかも知れませんので、情報は押さえておきましょう。
ブラック企業がなくならない理由 社長が勉強不足
実はまだ話の続きがあるのですが、会社で申請した雇用調整助成金の申請がハローワークに却下されてしまったとのことでした。
かなりウソを盛り込んだ書類で、ハローワークでバレてしまったと。
そうなると雇用調整助成金がもらえないので、雇用保険に入る意味もないので抜けたいっていう相談だったんです。
雇用保険のこと、助成金のことはもちろん従業員さんを雇用するって意味を分かっておらず、色々な意味で勉強不足な社長と言わざるを得ません。
社長は良くても、その周りの人間は不幸になるだけです。
経営者は従業員さんの人生を背負っている訳ですから、きちんと勉強を続けないとダメなんです。
こういうブラック企業はつぶれた方が、ある意味みんなのためになるかも知れませんね。
こんな行き当たりばったりの会社あるんですね!
従業員さんが可哀そう。
後日談 手数料踏み倒し!
この一連の流れで、社長は一切出てきませんでした。
手続きにしても、支払いにしても社長の奥様?とのやり取りに終始してました。
そして、手続きの手数料も振り込まれず、何度催促しても振り込まれませんでした。
しまいには会社に電話しても誰も出なくなりました。
こういう従業員さんにもブラック、社労士にもブラックな会社があることが驚きでした。
勉強が必要と言っておきながら、私が一番勉強になりました・・・。
小人数の零細企業は、雇用保険に加入していないことが多いです!
お給料から雇用保険料が引かれているか、チェックしてね。
「雇用保険被保険者証」を見せてもらうのもアリ!
まとめ
ブラック企業の社長の発言は、たいして深い考えもなく言っていることが多いんです。
知識がないだけで違法なことに手を染めようとする社長がいます。
社長も人間だもの・・・で、徐々に成長してくれれば良いのですが、まったく考えを変えないブラック社長もいます。
もし会社に未来はないと思った方は、転職を視野に入れるのもありかも知れませんね。