「退職するって決めたけど、書類は何を準備すればいいの?」
「会社に伝えるタイミングや流れがイマイチわからない…」
わからないことだらけで不安を感じていませんか?
退職を決意したものの、手続きや書類の準備、具体的な流れなど、やることが沢山あります。
この記事では退職に必要な書類とその流れ、さらに退職時に確認すべきことを網羅したチェックリスト付きで解説します。
私も以前は退職手続きで戸惑い、手続きに時間がかかってしまった経験があります。
しかし、正しい知識と準備をすることで、スムーズに退職することができました。
この記事を読めば、あなたも安心して円満に退職を進めることができます。
ぜひ最後まで読み進めて、自信を持って次のステップへ進んでいきましょう!
退職時に会社から受け取る書類など
失業した時にハローワークや市区町村の役所に提出する書類や、次の就職先に提出するものがあります。
それぞれ提出先や目的が違うので、しっかり押さえておきましょう。
退職書類・雇用保険被保険者証
雇用保険被保険者証とは雇用保険に入っていた証明書です。
色々な情報が記載されているのですが、次に就職する会社で提出を求められます。
雇用保険被保険者証は、下記の5つの情報が記載されています。
記載内容
- 被保険者番号
- 資格取得日(雇用保険に加入した日)
- 加入していた人の氏名
- 加入していた人の生年月日
- 事業所名
雇用保険では今まで加入していた期間の履歴をつなげることが出来ます。
例えば今までの会社がA社、次の会社がB社とするとA社とB社の雇用保険加入の履歴が通算できます。
通算して基準をクリアすると失業手当がもらえるようになります。
失業手当をもらうための必要な期間
失業手当をもらうためには、一定の雇用保険加入期間が必要になります。
受給のために必要な加入期間をまとめたので、下記を確認してください。
自己都合退職の場合
過去2年間で雇用保険に加入していた月数が12カ月以上必要
会社都合退職の場合
過去1年間で雇用保険に加入していた月数が6カ月以上必要
注意点としては雇用保険被保険者証は会社が保管している場合と、保管していない場合があります。
保管していれば退職時に会社から返却があるので良いのですが、自分で保管している場合は紛失してしまう時もあります。
その場合はあなたの住所の最寄りのハローワークで再発行してもらいましょう。
次の会社に入社するときに、雇用保険被保険者証の番号や退職した会社名を聞かれます。
今までの雇用保険の履歴をつなげてくれます!
退職書類・雇用保険被保険者離職票1,2
失業手当をもらうときに必要となります。
一般的に離職票と略して呼ばれることが多いのですが、1,2というのは2種類の用紙だからです。
書かれている内容は過去6か月間のお給料の額がメインですが、これが失業手当の金額計算のベースとなります。
また自己都合退職、会社都合退職といった退職の状況も記載されています。
退職の状況によって失業手当がすぐもらえるか、あるいは待ち期間が発生するかが変わります。
退職状況と失業手当の待ち期間の関係
失業手当はすぐにもらえる訳ではなく、一定期間の待ち期間が発生する場合があります。
平たく言うと、退職時の状況によって待ち期間が変わってきます(正式には待期期間といいます)。
具体的には、下記の2種類があります。
自己都合退職の場合
約2か月の待期期間が発生
会社都合退職の場合
待期期間は無し
ここでの実務上のポイントは、離職票は意外と時間がかかるケースが多いことです。
会社が外部の社会保険労務士事務所に委託していることがありますが、会社が情報提供を忘れていた場合や社会保険労務士事務所で時間がかかってしまうケースもあります。
退職後にまだ発行されていない場合は、遠慮なく総務部や人事部に問い合わせしましょう。
問い合わせをすることで優先的に処理してもらえる場合も結構あります。
離職票は失業手当がいくらになるか、大切な基礎データになります。
ハローワークで失業手当の手続きをする際に、必要になります!
失業手当をもらう方法を知りたい方は、「3分で分かる!失業手当をもらう方法 金額も公開!」を参考にしてください。
退職書類・源泉徴収票
源泉徴収票とは、所得税の計算をする時に使います。
年末調整という言葉を聞いたことがあると思いますが、1年間の所得税を過不足なく計算する作業です。
一般的に12月に年末調整を実施することが多いのですが、年の途中で退職するとそれまでの情報が記載されて、次の会社に提出して年末調整を行います。
1年間の所得税の計算を確実に行うため、今までの会社での履歴を次の会社に提出することになります。
源泉徴収票の記載内容
主に次の内容が書かれています。
源泉徴収票
- 退職までに受け取った年間のお給料の額
- 社会保険料の額
- 源泉所得税の額
年内中に再就職したときは次の会社に提出するのですが、まだ就職しない場合は自分で確定申告を行うことになります。
その時に源泉徴収票が必要になるので、大切に保管しておきましょう。
次に入社する会社でも、1年の所得税を計算します。
所得税の過不足を計算するので、次の会社に提出しましょう!
退職書類・年金手帳
年金手帳は、退職後に国民年金に加入する場合に必要になります。
会社で年金手帳を保管している場合は退職時に返却してもらえます。
そもそも年金手帳は何故あるかというと、長い人生の中で年金制度の履歴を管理するためです。
年金制度は大きく分けて3つのカテゴリーがあります。
下記の図をご覧ください。
自営業者などが加入する第1号被保険者、会社員などサラリーマンが加入する第2号被保険者、専業主婦・主夫の方が加入する第3号被保険者といった3カテゴリーがあり、それぞれ保険料の納付の方法が全然違います。
また、第2号被保険者は国民年金と厚生年金の2階建てとなっていて、もらえる額も違ってきます。
これらのように、長い人生の期間をモレ無く年金に反映させるため年金手帳が必要になるのです。
転職するときは再就職先に、就職しない場合は市役所に提出することになります。
会社から返却があった場合は大切に保管しておきましょう。
最近は年金の履歴がマイナンバーに紐づいています。
令和4年から年金手帳は電子化されているので、以前ほどは求められなくなったの。
再発行は年金事務所で可能で、「基礎年金番号通知書」となります。
次の会社でもマイナンバーは聞かれるので、準備しておいてね!
退職日までのスケジュール
退職する意思が固まったら、いよいよ動き出すことになります。
退職日を決めたら逆算していつまでに何をやるか、スケジュールを立てましょう。
一般的には2か月前位から動き出すくらいの余裕を持ったスケジュールが望ましいです。
退職日の2か月前にやること
まずは上司に相談することになりますが、ここで退職の相談時によくあるNGケースがあります。
下記にまとめたので、確認してみましょう。
退職相談時のNG3つ
- 直属の上司ではない人に退職の意思を伝える。
- 退職時期を決める時に繁忙期を希望する。
- 退職の理由を聞かれたときに会社の不平不満を言う。
退職するときは今後も続く人間関係を考えて、円満に進めたいものです。
それぞれ、詳細を具体的に説明していきます。
直属の上司ではない人に退職の意思を伝える
退職相談するべき上司は直属の上司のことで、たまに仲の良い他部署の上司に話してしまうことがありますがこれはNGです。
退職というのは上司のメンツや人間関係に大きな影響を及ぼすので、退職を決断したらまずは直属の上司に話を聞いてもらいましょう。
また仲の良い同僚に相談するケースもありますが、こういった話は内緒話伝言ゲームで社内に広まってしまうこともあり注意が必要です。
退職時期を決める時に繁忙期を希望する
退職時期を決めるにあたって、繁忙期に退職するのは控えましょう。
会社からするとただでさえ退職の引継ぎなどで負担がかかるのに、忙しい時期に退職されると反感を買ってしまう可能性があります。
退職までに嫌がらせを受けるケースもあるので、ここは配慮したほうがベターです。
ちなみに、民法上は2週間前に会社に伝えればOKです。
民法には下記の条文があります。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
引用元:民法627条1項
ただ、一般的な就業規則は1か月前になっていることが多いものです。
どちらが優先されるかは厳密には法律なのですが、会社側も引継ぎなどの合理的な理由があるケースも多く、円満退職をしたい場合には就業規則の通りにしたほうが良いでしょう。
また稀に退職を伝える時期が6か月前などといった就業規則を見ることがありますが、ここまでは従う必要はないでしょう。
判断基準は、一般的で合理的なものは従うといった解釈で判断しましょう。
退職の理由を聞かれたときに会社の不平不満を言う
退職するときは不平不満がない方が珍しいと思います。
ただ、スムーズな退職を目指すのであれば言い方を気を付けるに越したことはありません。
あくまでイメージですが、NG例とOK例を見てみましょう。
退職相談のNG例、OK例
【NG例】働く時間が長いし、給料も低いので辞めます。
【OK例】今の仕事もやりがいを感じているのですが、前から〇〇に興味があり今しか出来ないと思い退職を決断しました。
【OK例】親の介護が必要になり、非常に残念ですが退職を決めました。
退職相談はポジティブな相談、あるいは家庭の事情などが理由だと受け入れられやすい傾向があります。
一方で会社の不平不満をぶつけてしまうと、慰留するために対策されてしまうことも少なくありません。
スムーズで円満な退職を行うために、退職の意思を伝える時は慎重に行いましょう。
また、有給休暇の消化についても希望を伝えておきたいところです。
次の会社の名前を聞かれることも多いです。
言いたくないときは「複数社を検討中です」というのもアリですよ!
有給休暇の法的なルールを知りたい方は、「有給休暇のキホン 知っておくべきポイント」を参考にしてください。
退職日の1か月前にやること
遅くても1か月前には退職願を会社に提出しましょう。
退職願を出すタイミングは上司と退職の相談をする時に出すことが多く、早めに準備するのが望ましいと言えます。
また、提出するのは直属の上司にしましょう。
書き方でいくつかのポイントがありますので、ここでしっかりと押さえておいてください。
退職願の書き方ポイント
- タイトルは「退職願」にしましょう。退職届は相手に一方的と思われてしまうことがあります。辞表とは書かないように。
- 封筒は白地にもので表には「退職願」、裏には部署と氏名を記入します。
- ボールペンか万年筆で手書きにて記入しましょう。
- 便箋は模様無しを選びますが、罫線が入っていても問題はないです。
- 退職日は必ず上司と相談した日付にしましょう。
退職願は縦書き、横書きどちらでも問題ありません。
下記に退職願の縦書きパターン、横書きパターンを両方掲載します。
円滑な退職を行うためにしっかりとポイントを押さえて作成、提出しましょう。
退職願を出さない人も意外と多いです。
後になって会社から求められるので、きちんと事前準備して!
退職日の1~2週間前にやること
このタイミングでは業務の引継ぎや挨拶回りに行けない取引先へ挨拶状を送付するタイミングとなります。
各々ポイントを見ていきましょう。
業務の引継ぎ
業務の引継ぎに関しては後任の方に負担をかけないように、しっかり事前準備をしておきましょう。
少なくとも下記の3点は押さえておきたいところです。
引継ぎ事前準備
- ①フォルダ、ファイルの整理
- ②引継ぎ内容の文書化、テキスト化
- ③後任者を連れて取引先への挨拶回り
➀はパソコン内のフォルダやファイルを見やすいレイアウトに整理しておきましょう。
自分が担当していると自分なりのレイアウトにしてあることが多く、配置場所がバラバラであることも少なくありません。
また、自分だけがわかるメモ書きや資料も含まれていることもあるので、余計な情報も整理しておきましょう。
②についても同様ですが、自分では分かっているつもりでも後任者は分からないものです。
また、後任者も引継ぎ時は覚えていても時間がたつと忘れてしまうことがあります。
かといって、退職してしまった前任者には聞けない・・・といったことがあるので、なるべく文書化、パソコンであればテキスト化して文字でやり方を残しておきましょう。
最近はパソコン操作を簡単に動画にできます。
複雑な操作は動画もおススメです!
③は取引先、後任者にとっても必要なことです。
取引先は担当者が変わることで不安になりますし、後任者も前任者に顔をつないで欲しいケースが多いものです。
今までの取引先へ感謝の意を伝えることと、出来れば後任者の売り込みも配慮してあげましょう。
取引先への挨拶メール
担当者が変わると取引先は不安になります。
スケジュールの都合で訪問による挨拶が出来なかったとしても、挨拶メール位は最低限送っておきましょう。
無予告で何の挨拶もなく新しい担当者が来ると会社のイメージも悪いものになってしまいます。
あまりにも直前だとせっかくメール送信しても逆効果になりかねないので、早めに送っておきましょう。
下記が取引先へのメール文例です。
退職の挨拶メール文例
件名:退職のごあいさつ(株式会社〇〇 田中)
▢▢▢株式会社 △△部
〇〇〇様
いつもお世話になっております。
株式会社〇〇の田中です。
私事となり、大変恐縮ではございますが、一身上の都合により〇月〇日をもちまして退職することになりました。
在職中は〇〇〇様にはさまざまなご支援、ご助言をいただき、本当にありがとうございました。
本来ならば直接伺うべきところでございますが、メールでのご挨拶になりましたこと、お詫び申し上げます。
引継ぎは後任の〇〇へ行っておりますので、追って〇〇がご挨拶に伺う予定でございます。
末筆ながら、貴社のご発展と〇〇〇様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
書き方のポイントはいくつかあるのですが、まず退職日を明確に記入しましょう。
取引先にもスケジュールが把握出来て、安心してもらいやすくなります。
また後任者の紹介をしておき、後任者が引き継ぎやすい状況を作ります。
もしメールの一斉送信をする場合は、個人情報が漏れないように送りたい相手はbccで送ってください。
取引先への感謝の気持ちを伝えるためにも、しっかりと挨拶を行っておきましょう。
今までお世話になった会社だからこそ、立つ鳥跡を濁さずですね!
退職日の前日~当日にやること
ここでは会社から貸与されている物品の返却と、お世話になった社内の方への挨拶を行います。
具体的な例を確認していきましょう。
会社へ返却するもの
今の会社に入るときに色々なものがあなたに支給されたと思います。
一般的には下記のものが考えられ、このタイミングで会社に返却をしましょう。
会社へ返却するもの
- 社員証、入館証
- 社章
- 制服、作業着、作業道具、文房具等
- 自分の名刺と取引先の名刺
- 会社の資料や各種書類(自分で作成した書類も)
- 健康保険証
- 通勤定期券
社員証や入館証はセキュリティ上重要なものです。
紛失すると罰則として弁済を求められるケースがあるので注意しましょう。
また、会社の資料などは機密文書に当たりますので必ず会社へ返却するようにしてください。
通勤定期券は自分で購入していたらそのまま使えますが、会社から支給されていたら払い戻しとなるケースもありますので事前に対応を確認しておきましょう。
上司や同僚への最後の挨拶
退職しても元上司、元同僚と人間関係のつながりが続くことは意外とありますし、そのつながりが新たなビジネスや案件になることが少なくありません。
今までの感謝の気持ちをしっかり伝え、人間関係を良好にしておきましょう。
退職後に行う各種の手続き
退職後に次の就職が決まっているかいないかで、対応が変わってきます。
次の就職が決まっている場合はそこまで手続きはないのですが、決まっていない場合は色々やらなくてはならないことがあります。
次の就職が決まっている場合・雇用保険
行政機関に提出する手続きはあまりありません。
次の会社ですぐに働くので、失業時の生活保障である失業手当は支給されません。
会社の手続きとして雇用保険の資格喪失手続きを行います。
失業手当をもらうためには、付随して離職票1,2が必要となりますが、今回は請求不要となります。
*離職票1,2とは何か知りたい方はこちら
ただ、次の仕事が決まっていても請求できない訳ではありません。
新しい就職先をすぐに退職する可能性もゼロではないので、念のためもらっておくのも良いでしょう。
次の就職が決まっている場合・健康保険
会社を退職して次の就職まで短くても時間が空く場合は、なんらかの形で健康保険制度に加入する必要があります。
退職後は3つの選択肢があります。
退職後の健康保険の選択肢
- ①前職の健康保険の任意継続制度を使う
- ②市町村の国民健康保険に入る
- ③ご家族の扶養に入る
➀は前職の健康保険制度を引き続き活用できる制度です。
健康保険に2か月以上加入していたら継続が出来、ご家族を扶養に入れることも可能です。
ただ、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要なので、事前に人事部などに確認しておきましょう。
②は自分が住んでいる市区町村の役所で、14日以内に手続きをします。
③はご家族が勤めている会社の人事部などに、相談してもらうようにしましょう。
次の就職が決まっている場合・年金
次の職場ですぐに働く場合は、特に手続き不要です。
年金制度は月単位で履歴が計上されていくので、1か月空かない場合は何もする必要がありません。
退職後の年金手続き
(例) 5月31日に退職 → 6月15日に次の会社で勤務開始
国民年金への切り替えは不要で、厚生年金の加入が続きます。
手続きも会社が行います。
この例の場合は5月までが前の会社での厚生年金、6月からは次の会社で厚生年金に入ることになります。
配偶者がいる場合は第3号被保険者の状態も継続するので、保険料は無料状態が続きお得と言えるでしょう。
次の就職が決まっている場合・税金
税金の手続きは所得税と住民税に分かれます。
まず所得税ですが、退職時に源泉徴収票をもらっておきます。
所得税の計算は1年間を計算するものであり、1年の途中で退職したらそこまでの天引きした所得税を次の会社に通知する必要があります。
その通知が源泉徴収票となるわけです。
ちなみに、1年間の途中で退職したら次の会社で12月くらいに年末調整を実施してもらえるのですが、退職日の翌年に再就職した場合は自分で確定申告を行う必要があります。
所得税の手続き
- 退職と同じ年に就職 → 再就職先で年末調整を実施してもらう
- 退職日の翌年に再就職 →退職した年の所得税は自分で年末調整を行う
住民税についても退職したタイミングで手続きが変わり、退職が1月から5月の場合は原則として最後の給与から一括天引きとなります。
一方で6月から12月に退職した場合は、あなたのお住いの市区町村の役所から自宅へ住民税の納付書が送られてきます。
その納付書に書いてある期限までに、自分で住民税を納付することになります。
ただ、再就職先でも住民税を天引きしてもらうことは可能なので、人事部などに相談してみると良いでしょう。
住民税の手続き
- 退職が1月から5月の場合 → 最後の給与から一括天引き
- 退職が6月から12月の場合 → 市区町村の役所から来た納付書の金額を自分で納付
次の会社が決まっている場合は、事前に必要な提出書類を聞いておきましょう。
入社直後は新しい人間関係やら、新しい仕事やらで結構忙しいです!
次の就職が決まっていない場合・雇用保険
会社から離職票1,2が送られて来るので、あなたのお住いに近いハローワークに持って行き、求職の申し込みをしましょう。
*離職票1,2とは何か知りたい方はこちら
後日雇用保険受給説明会に参加し、失業手当の受給スケジュールなどの説明を受けます。
その後就職活動を実施して、4週間に1回ハローワークに出向き失業手当の申請を行います。
失業状態を認定してもらえれば、そこから約1週間後にあなたの指定口座に失業手当が振り込まれます。
また、次の就職が早期に決まった場合は国から再就職手当が出ます。
再就職手当の詳細を知りたい方は、「スピード就職で国からご褒美金!再就職手当とは?」を参考にしてください。
次の就職が決まっていない場合・健康保険
会社を退職して次の就職まで時間が空く場合は、なんらかの形で健康保険制度に加入する必要があります。
退職後は3つの選択肢があります。
退職後の健康保険の選択肢
- ①前職の健康保険の任意継続制度を使う
- ②市町村の国民健康保険に入る
- ③ご家族の扶養に入る
➀は前職の健康保険制度を引き続き活用できる制度です。
健康保険に2か月以上加入していたら継続が出来、ご家族を扶養に入れることも可能です。
ただ、退職日の翌日から20日以内に手続きが必要なので、事前に人事部などに確認しておきましょう。
②は自分が住んでいる市区町村の役所で、14日以内に手続きをします。
③はご家族が勤めている会社の人事部などに、相談してもらうようにしましょう。
退職後の健康保険は制度によって保険料が全然違います。
できれば退職前に決めておいてください!
次の就職が決まっていない場合・年金
次の会社で働くまで時間が空いている場合は、自分で年金制度の変更手続きが必要となります。
退職後の年金手続き
(例)5月31日に退職 → 10月1日に次の会社で勤務開始
6月、7月、8月、9月は自分で、厚生年金から国民年金の切り替えが必要となります。
この例の場合は6月、7月、8月、9月は国民年金の加入となるため、市区町村の役所で手続きを行いましょう。
また、配偶者が扶養に入っている場合は第3号被保険者から第1号被保険者への変更手続きも必要です。
この辺りは少し複雑な制度なので、事前に人事部などで確認しておくと良いでしょう。
退職後の国民年金の手続き詳細を知りたい方は、「【必見】退職後の国民年金手続|切替方法と書類を完全解説!」を参考にしてください。
次の就職が決まっていない場合・税金
税金の手続きは所得税と住民税に分かれます。
まず所得税ですが、退職時に源泉徴収票をもらっておきます。
所得税の計算は1年間を計算するものであり、1年の途中で退職したらそこまでの天引きした所得税を次の会社に通知する必要があります。
その通知が源泉徴収票となるわけです。
ちなみに、1年間の途中で退職したら次の会社で12月くらいに年末調整を実施してもらえるのですが、退職日の翌年に再就職した場合は自分で確定申告を行う必要があります。
所得税の手続き
- 退職と同じ年に就職 → 再就職先で年末調整を実施してもらう
- 退職日の翌年に再就職 →退職した年の所得税は自分で年末調整を行う
住民税についても退職したタイミングで手続きが変わり、退職が1月から5月の場合は原則として最後の給与から一括天引きとなります。
一方で6月から12月に退職した場合は、あなたのお住いの市区町村の役所から自宅へ住民税の納付書が送られてきます。
その納付書に書いてある期限までに、自分で住民税を納付することになります。
ただ、再就職先でも住民税を天引きしてもらうことは可能なので、人事部などに相談してみると良いでしょう。
住民税の手続き
- 退職が1月から5月の場合 → 最後の給与から一括天引き
- 退職が6月から12月の場合 → 市区町村の役場から来た納付書の金額を自分で納付
他にも失業時に手続きをすると、お金がもらえるお得な制度があります。
失業時にお金をもらえる制度を知りたい方は、「【必見!】失業時にお金が貰える手続き17選!」を参考にしてください。
退職手続きや書類のチェックリスト
最後に、退職時に関連するものをチェックリストにまとめました。
ぜひ活用して頂き、スムーズな退職を行いましょう。
会社に返却を行うもの
会社から配布されていた備品などは、退職時に会社へ返却を行いましょう。
下記を確認してください。
返却物チェックリスト
- 社員証、入館証
- 社章
- 制服、作業着、作業道具、文房具等
- 自分の名刺と取引先の名刺
- 会社の資料や各種書類 → 自分で作成した書類も返却しましょう
- 健康保険証
- 通勤定期券
退職時の手続き
退職時の手続きは、場合によっては多岐に渡ります。
下記チェックリストを参考にしてください。
返却物チェックリスト
- 雇用保険被保険者証を会社からもらう
- 離職票1,2を会社からもらう
- 失業手当の申請をする
- 健康保険の手続きを行う(任意継続 or 国民健康保険 or 家族の扶養に入る)
- 国民年金の手続きを行う(自分の手続き and 配偶者の手続き)
- 所得税の源泉徴収票をもらう(年内就職の場合は次の会社で年末調整、就職しない場合は自分で確定申告)
- 住民税の納付をする(1~5月退職の場合は最後の給与で一括天引き、6~12月退職の場合は自分で納付)
退職時に受け取るもの
会社を退職するときは、必要な書類を受け取りましょう。
下記のチェックリストを参考にしてください。
返却物チェックリスト
- 雇用保険被保険者証
- 雇用保険被保険者離職票1,2
- 源泉徴収票
- 年金手帳
退職の流れと書類を社労士が解説 まとめ
退職の書類は多岐に及びますが、流れや手続きを把握して円滑な退職活動を行いましょう。
最後にもう一度、内容を確認しましょう。
まとめ
- 会社から受け取る書類は失業手当関連、税金や年金関連
- 退職日の2か月前から逆算してスケジュールを立てる
- 円満退社出来るように、NG行為は行わない
- 退職願、業務引継ぎ、取引の挨拶をきちんと行う
- 退職後に行う手続きは雇用保険、健康保険、年金、税金関連がある
ブラック企業は書類手続きの法律違反をしていることが多いので、どのような書類が必要かを理解しておきましょう!
退職するとき会社から受け取る書類ってなんですか?
雇用保険、源泉徴収票、年金手帳があります。⇒詳しくはこちら
退職日までのスケジュールはどのような感じですか?
退職の2か月前から順次行いましょう。⇒詳しくはこちら
退職後に行う手続きはなにがありますか?
雇用保険、健康保険、年金、税金関連の手続きがあります。⇒詳しくはこちら
この記事の監修者
社会保険労務士 タカハシ
顧問先100社を持つ社会保険労務士事務所の代表。
日々の労務相談の経験から、リアルなブラック企業の実態を知る。
ブラック企業を減らし、幸せな職場を増やすべく日々奮闘中。